2009-01-01から1年間の記事一覧

その22  そして当日!(後編)

遂に着物で歌舞伎座に辿り着いた私たち。 4月夜の部の仁左衛門丈の演目は「郭文章」。 吉田屋の伊左衛門を演じる仁左衛門に向かって、心の中でかなり大声で 「孝夫!あたしとうとう着物であなたに会いにきたよ!!」 と叫びました。 涙が出るほど感激! 仁左…

その21 そして当日!(中編)

当日は朝から降ったりやんだりのぐずついたお天気。 しかしながら前日わざわざ黒猫隊長が手配してくれた宅急便が朝一で我が家に届きました。 真っ赤な雨コートを抱きしめて隊長の心遣いに深く感謝。 ここまでしてもらったらその気持ちに応えないわけにはいき…

その20  そして当日!(前編)

さあ、準備万端、満を持してやってきた歌舞伎観劇当日! 雨でした。 ・・・・・・・・・・この2か月間、ものすごい勢いで目的に向かってまい進してきた私たち。 ところが5日前ぐらいから、なんと決行日に雨マークが。お着物のみなさん、雨の日の判断はどうな…

その19 初めて着物で外出してみて・・・

リハーサルの日は昼からから夜まで着物を着て過ごしましたが、想像していたより全然苦しくありませんでした。 お食事も楽勝! 黒猫隊長が、普段帯に手ぬぐいをかけてナプキン代わりにしているのを見ていた私たちは、全員しっかり手ぬぐい持参! おかげで食べ…

その18 男着物

私たちが着物を始める気持ちを固めた時期と時を同じくして、やはり着物に目覚めた男子がいました。 年頃も同世代のイラストレーターくすおさん。 これがまた実に粋に、色っぽく着こなされているのですよ。 私たちが子供の頃、大人の男の人たちはもう少し着物…

その17 予行練習は銀座でランチ

着付け教室1回目は、襦袢の着付けまで。 襦袢をきちんと着れたら、もう8割がた着付けは終わったも同然なのだそうです。 襦袢は一番下だから、いい加減でもいいと思ってましたよ。 大きな間違いでしたね。 何度も何度も着ては脱ぎ脱いでは着て、徹底的にしわ…

その16 足袋

せっかく浅草に来たのだからと立ち寄った和装小物屋さん「高砂屋」では思いもよらぬ事実発覚。 先日足袋を買ったらぶかぶかだった私。 いつもより一つ下のサイズを買うべきなのだな、と思い込んでいたのです。 ところがこの高砂屋で足袋選びの相談をしたとこ…

その15 着物で歌舞伎への道

さて、こうしてプチ着付け教室通いが決まった私たち。 黒猫隊長からは、歌舞伎座本番前に少なくとも1回、できれば2、3回着物で外出しましょう、とのご提案。 実際に着て外を歩いてみると、必要なことや必要なものが見えてくるし、どんな感じなのかもつかめる…

その14 何がいけなかったのか?

鏡に映った自分の姿、なんだかきれいじゃない。 お店でさっと着付けてもらった時は、あんなにはんなり感が出てたのに。 なんでだろう?とものすごくものすごく考えました。 下手だから、を差し引いてもどうにも感じる違和感。 あたしって着付けの才能ないの…

その13 いよいよ着てみる

着付けを覚えるにあたってはいろいろな選択肢がありました。 最近巡ったご呉服屋さん、古布屋さんでは、私たちが初心者だと知ると、必ずと言っていいほど、そのお店の着付け教室にお誘いを受けたんですよ。 「3回通えば着られるようになりますよ。」 「すぐ…

その12 着物を着るために必要なもの

さあ、着物と帯が揃った以上、あとは着るのみです。 着物を着るために、ほかには何が必要なのでしょう? 下着。(肌着と裾避け、そして足袋ですね。) その上に着る長襦袢。(上と下に別れた二部式のものもあります。) 着付け小物。(伊達締め、腰紐、コーリンベ…

その11 帯選びは振り出しに戻る

なかなか帯を決められなかった私。 そんな私の頭の中には、ずっと忘れられない帯がありました。 それは2度目の着物旅の折、表参道の「ギャラリー朱」で見つけたタマネギ柄の縮緬の名古屋帯です。 歌舞伎観劇にはちょっとくだけ過ぎだろうか。 縮緬素材ってど…

その10 計画変更、春決行へ

さて、ついに1枚目を手に入れた私。 怪しく舞い上がりながら、次に探すべきは帯ですよね、帯! 実はここまでの旅の途中で、隊員の一人が、一日でどーんと着物&帯&小物をゲットしていました。 恐るべき運と決断力。 この買い方こそが、着物素人には大正解。…

その9 着物には格があることを知る

ここまでの旅の中で学んだ一番重要なことに、着物の格、というものがありました。 洋服にTPOがあるように、着物にもTPOがあります。 以前着物は、それだけで洋服を凌駕する華やかさがある、と書きましたが、だから着物なら何でもいい、というわけにはいかな…

その8 迷いながらも最初の1枚との出会い

kesaで気に入った紬を却下した時点で、私は少し自信を失いました。 というのも、次の着物旅で出かけた青山では、一つも気に入った着物に出会えなかったからです。 モリハナエビル地下の骨董街にあるリサイクル着物の店「ぎゃらりい朱」では、すてきなタマネ…

その7 ひと旅終えて思うこと

こうして私たちの最初の着物旅は終わりました。 行ってみて、試着してみて分かったことは、 1,着物を着ても老け込まない。 考えてみたら、昔の日本人は老いも若きもやせ形もぽっちゃり形もみんな着物を着ていたんですよね。 だから似合うとか似合わないとか…

その6 酒と同じで安いものから始めるべし

次に向かったのは着物スタイリストで有名な石田節子さんが経営する「衣裳らくや」。 歌舞伎座の近くに4フロアからなる店舗を構えていて、小物やリサイクル着物、帯から始まり、様々な種類の反物もたくさん揃っていました。 こちらでもアンティークを中心にわ…

その5 一枚目から舞い上がる

さて、ちゃんと帯も結んでもらって、鏡に写してみて思ったこと。 着物を着たら老け込むんじゃないかと恐れていた私ですが、それが、そうでもなかったんです。 なんだか着物に「フフ、あんたなんかまだまだヒヨッコよ。」 と言われた気がしました。 くすんだ…

その4 とにもかくにも着物を見に行ってみる

もう外堀はすっかり埋め尽くされ、後は総攻撃を受けて全軍討ち死にいたすか、もしくは白旗挙げて敵軍に下るか、古井戸に続く抜け道を脱兎のごとく逃げ出すか。 ふ、と右を見ると、もう嬉々として白旗を広げはじめてる友人がひとりおりまして、また左には背中…

その3 メガネで金欠でも着物が着られるのか?

着物にはまった友人の一言で、すっかり心が揺れはじめた私。 しかしながら、ほんとに着物が着られるのか全然自信がありませんでした。 というのも、私はかなりやせ形なので、着物を着たらげっそり老け込むのではないか、という恐怖心があったのです。 もう一…

その2 ここか、ここがはじめ時なのか!

着物への憧れは押し入れの奥に仕舞い込まれ、忙しさにまぎれて歌舞伎座への足 も、ここ数年ちょっと遠のき気味でしたが、最近になりまたぽつりぽつりと公演の チケットを取るようになりました。 たいして余裕ができたわけでもないのですが、好きな俳優さんが…

その1 着物の道は遠かった。

着物には昔から興味はありました。 幼い頃は時代劇大好き、中学時代から柴錬の「眠狂四郎」にどっぷりはまり、 ハタチを超えて出会った歌舞伎の世界で片岡孝夫(現片岡仁左衛門)に一目惚れ! 何度も歌舞伎座に足を運ぶうちに、 ああ、いつか、着物で歌舞伎を…