その15 着物で歌舞伎への道

さて、こうしてプチ着付け教室通いが決まった私たち。
黒猫隊長からは、歌舞伎座本番前に少なくとも1回、できれば2、3回着物で外出しましょう、とのご提案。
実際に着て外を歩いてみると、必要なことや必要なものが見えてくるし、どんな感じなのかもつかめるそうです。
ぶっつけ本番は長丁場だし絶対危険!と言うご意見、納得です。


しかし、やっぱり3回の教室で一人で着て家から出ていく自信は持てず、壮大な計画を立てました。
私たちが教室に選んだ「らくや」があるのは銀座4丁目。
2回目の着付け教室後、そのまま着物で街に出てリハーサル。
3回目の着付け教室を歌舞伎の日に合わせて、講師の方にしっかり着付けをチェックしてもらってそのまま歌舞伎座へ。
これでどうじゃ!
我ながらなんだかすごい、ナイスアイデアじゃないっすか?
ちょっとずるっぽい感じもするけど、はじめはとにかく誰かの御墨付きが欲しかったのです。


リハーサルには、せっかく着物でランチなのだから、とちょと気張ってホテル西洋銀座のイタリアンレストランを予約しました。


さあ、計画が固まってもう一つ忘れてはいけないものを買いに行きましたよ。
それは草履です。
ここに至るまでに、あちらこちらの呉服屋さんや履物屋さんで、何度か草履は見ていましたが、草履を買うならここ!と決めている店がありました。
浅草の「長谷川商店」です。
長谷川商店は小売りもしている卸業者で、百貨店に並んでいるのと同じ品が二分の一、三分の一の価格で購入できるのだそうです。
しかも自分サイズに合わせて目の前で鼻緒をすげてくれるのだとか。


この話聞いちゃったら、もう絶対行くしかないでしょう!
レッツラゴー!
ということで黒猫隊長と共に浅草に行ってきました。


お店に入ると、まずズラ〜〜〜っと並んだ鼻緒に大興奮!
しかもお値段が嘘でしょう!というほど安いんですよ。
2階で好みの台を2色選び、店員のおじさまに、私のイメージに合った鼻緒をいくつか合わせていただく。
そのセンスがまた、申し分なくばっちりで、どちらにしようか激しく悩みました。
あれこれ鼻緒を当てて見ているうちに、私の横でお付き合いだけだったはずの黒猫隊長も鼻息が荒くなって参りました。
だって、百貨店の二分の一、三分の一のお値段で(しつこい)、同じクオリティのものが手に入るんですよ!
興奮しないわけがないですよね。


結局、その2種類の一つを私が買い、もう一種類をお付き合いだけだったはずの黒猫隊長が買いました。(笑)
いやー、いい買い物でした。