その11 帯選びは振り出しに戻る

なかなか帯を決められなかった私。
そんな私の頭の中には、ずっと忘れられない帯がありました。
それは2度目の着物旅の折、表参道の「ギャラリー朱」で見つけたタマネギ柄の縮緬名古屋帯です。


歌舞伎観劇にはちょっとくだけ過ぎだろうか。
縮緬素材ってどうなんだろう。
それにタマネギって、季節はいつ頃が向くんだろう?


着物を着る時、描かれている文様と季節を合わせるという行為も非常に大事なのだそうです。
先取りはいいけど、季節外れはNG。
例えば春の花の場合、年明けからその季節まではオッケーだけど開花したらもう着ない。
桜の季節に桜の柄を着るのは良いと言う店員さんもいますが、うちの隊長によると、花は咲いたらその花こそ一番格上。
人間はもう遠慮しましょうよ、と言う意見です。
これはそれぞれの考え方があるでしょうけれど、私はこの意見に賛同して開花したらもう着ない、というルールを採用しました。


花の季節は分かりやすい。
でも樹木や野菜って難しい。
新タマネギは春だけど、描かれてるタマネギは茶色で芽が出てる。
雰囲気は冬かしら?
う〜〜〜ん。


でも合わせてみたら錆び色っぽい茶色が私の御召にはドンピシャ。
とても粋な雰囲気です。
私ってばこの帯が頭にあったからこの着物を選んだんだわきっと!と思うほど。
お太鼓柄は初心者には模様を出すのが難しいかも、との忠告を振り切って、結局降り出しに戻り、タマネギをゲットしたのでした。


帯を買ったら必ずその帯に合った帯締め帯揚げを買うべし。
これも鉄則です。
着物の最大の楽しみが、この小物合わせといってもいいほどですよね。
帯締め帯揚げで、雰囲気ががらりと変わるのだ、ということも学びました。


着物の上に帯を乗せ、帯締め帯揚げをあれこれ組み合わせてみる楽しさよ♪
マニアはこの世の色を全色揃えるべく、穴を埋めていくのだそうですよ。
「ギャラリー朱」には希望の色みがなかったので、そのまま大荷物を抱えて
伊勢丹新宿店の呉服売り場に行ってみました。
まったく、デパートの呉服売り場に出入りする日が来ようとは、夢にも思いませんでしたよ。(笑)


伊勢丹新宿店の呉服売り場、充実してますね!
百貨店だけに価格はややお高めですが、幅広い年齢層に向けた商品が揃ってますし、なんとアンティーク着物のコーナーもありました。
この日はたまたま、和装小物屋さんが入っていてしかもセール中。
ここでもごそごそ着物を広げ、帯とじっくり色合わせ。
15000円の帯締めを5000円でゲットできて超ラッキーでした。