その10 計画変更、春決行へ

さて、ついに1枚目を手に入れた私。
怪しく舞い上がりながら、次に探すべきは帯ですよね、帯!


実はここまでの旅の途中で、隊員の一人が、一日でどーんと着物&帯&小物をゲットしていました。
恐るべき運と決断力。
この買い方こそが、着物素人には大正解。
着物を先に買ったとしますよね。その記憶をたよりに呉服屋さんで帯を見ても、全然イメージできないんですよ。
ちゃんと着物に帯を当てて、さらに自分の顔に当てて、小物も揃えないと、何を買っていいかさっぱり分からなくなっちゃう。
なんせ自分の着物がほんとは何色だったかも、自信が持てなくなってくるんです。
同じ白でもアイボリー系とグレー系では、合う色が全く違うんですよね。


先に着物を買ってしまった私は、それからしばらく御召を抱えて銀座や青山をうろうろすることになりました。
その中で練習用に一つ、廉価で購入した帯がありましたが、服選びのイメージで顔に合わせもせずモノトーンの帯を買ってしまいこれが失敗。
いざ着てみると、グレーの縞にモノトーンの帯はどちらも解け合っちゃってどうにも地味なんですよ。
小物でなんとか引き上げられそうですが、う〜ん、これは勇み足でした。
ただし帯自体は気に入っているので、これにはいずれ合う着物を買うことにして、と。(笑)
洋服感覚で選ぶとどうしようもない地味着物の世界に入り込むのだということを、ひとつお勉強。


思いきって仕立てるならば、いくらでもピッタリな帯はあるのでしょうが、小さいお財布代表の私は今回予算を決めてリーズナブルにそろえることを一つの目標とすることにしました。
「頭の上から足の先まで12万円で揃える!」
これです。


そうなると帯の予算はおのずと限られ、アンティークショップを中心に徘徊するも、品揃えに劇的な変化があるわけもなく、再び迷宮へ。


迷宮に入るたびに、やっぱり着物は無理かも、と何度も心が折れそうになるのです。
それなのに、何となくアイテムが揃いはじめた私たちは、無謀にも半年後に計画していた「着物で歌舞伎」を前倒しして翌々月の4月歌舞伎に行こう!と計画を大幅見直ししちゃった!
仕事でもないのに、何考えてんだよ私たち!


この時点で決行予定日まで残り2か月弱。
この短期間に、本気で着付けをマスターできると思ってるおめでたい私たちを前に、黒猫隊長だけが一人脂汗をたらしていたのでした。